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もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

インカレ②:インカレで求められる実力

今回はインカレ特集の②ということで、インカレにはどんな実力が求められているのかを見てみます。

 

 

①純粋なヨットの実力

まず、純粋にヨットが上手くなければ、前なんて走れるわけがありません。

これを気にしてない人なんていないでしょう。

なんのために練習してるのかって話ですね。

 

まずは、これがないと土俵に立てません。

 

では、これだけでインカレに勝つことができるのでしょうか。

ひと昔前、セレクション制度が導入されたばかりの時期には、実力で圧倒し、優勝をかっさらていくようなチームが多かったような印象を受けます(みんなの話を聞く限り)。

もちろん、一つの勝ち方として確立されたものだと思います。

 

他を寄せ付けない圧倒的な実力で勢いをつけ、一気に優勝までもっていく。

 

この勝ち方は、エースにある程度依存します。

なので、できる大学とできない大学がありますし、勝ち続けるのは難しいでしょう。

僕は、京大ではできない勝ち方だと思いました。

 

では、これに加えて何をやっていったらよいか。

 

②インカレでマックスを出せる力

平常心から容易に外れる

インカレは特殊なレースだということは、前の記事で述べました。

 

こんな変なレースで、もしも自分の実力を出し切れる選手がいるのなら、それはとてつもないアドバンテージだと言えます。

ほとんどの選手は緊張なりなんなりして、平常心を保ててないです。

そのなかでいつも通りを出すことがいかに難しいか、ということです。

 

マックスはおろか、インカレだからとか言って、自分の実力以上を出そうとする人すらいるように感じます。

そんな芸当は不可能です。

数々のスポーツ科学が証明しています。

 

では、インカレという変な大会でどうやったら自分の実力に近いものを出せるのでしょうか。

 

これは非常に難しいですね。

なにしろ、いろんな要素が絡み合っています。

 

たとえば、、、

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誰かが横文字を叩いたら、それはその点数以上にチームの雰囲気に影響します。

その点差を取り戻そうとして、変なことをおっぱじめるやつが出てきてもおかしくありません(スタート攻めたりとか)。

 

総合優勝を目指してる大学のスナイプが不調だったときに、470がその分まで頑張ろうとしてリコールしてしまうなんてこともありそうです。

 

支援艇の手続きに不手際があって、わだかまりを感じながらレースに出る人もいるかもしれませんし、トラブルがあった時に十分なサポートがなくて焦った状態でレースに出る人もいるかもしれません。

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いろんなパターンがありすぎますね笑

まして、一人の人間がケアできることなんてたかが知れています。

何が原因で実力を出せなくなるかなんて人によっても状況によっても違うので、完璧に想定なんてできません。

 

ただ、一つ言えるのは、想定できない何かで、メンタルに支障をきたし、マックスパフォーマンスを出せなくなるかもしれないということです。

なにで不調になるかはわからんけど、不調になるかもしれないということはわかる。

 

だからこそ、それを知った上で、インカレに臨むのが非常に大事です。

みんなの期待を背負うことなんてインカレの前から分かっているので、そのうえで変に気張らずに冷静にレースを展開できるか、などあらかじめ予想できることもたくさんあります。

 

だからこそ全員で勝ちに行く

そして、これは一人では絶対にできません。

「インカレ」という大会に関わる全ての人が、それぞれの持ち場で完璧な動きをすることが死ぬほど大事です。

 

去年のスナイプリーダーは、レースの日の朝シャワーを浴びるというルーティーンを持っていましたが、そのときに泊まったホテルには良い風呂がついていてしっかり朝から浴びれる仕様になっていました。

もし、しょぼめのホテルだったら、それと同様のパフォーマンスを出せたかどうかは微妙なところです。

極端な話ではありますが、ホテルの予約からインカレという勝負は始まっています。

 

今年の京大のサポートチームは完璧な動きを見せてくれました。

レースに出る人が考えきれない細部にわたってケアされているという安心感。

何が起きても大丈夫という安心感。

 

小さなことの積み重ねがそのチームの底力になります。

 

一回生だから関係ねーし、みたいになりがちですが、今一度自分の動きの一つ一つがどれだけチームのためになるのか、どれだけ足を引っ張る危険をはらんでいるのかを確認してもらえたらと思います。

 

インカレは総合力とかチーム力とか言いますが、いまいちぱっと直感的にわかりません。僕は。

たぶん、その言葉が意味するのは、上のようなことなんではないかと思っています。

 

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トップアスリートの勝敗を決するもの

トップの世界では、最終的に実力がかなり拮抗すると言われています。

勝っても負けてもおかしくないくらい僅差の実力。

スポーツ心理学において、実力の拮抗した状態で勝敗を決するのは、メンタルだと言われています。

 

オリンピックにメンタルトレーニングを初めて導入したのはロシアらしいです。

その年のオリンピックで金メダルを大量に獲得したこととメンタルトレーニングは無関係ではないでしょう。

実際、その年以降、各国でメンタルトレーニングが導入されています。

 

学生レベルでは、差は確かにありますが、そこまで大きな差ではありません。

そして、インカレという特殊なレガッタにおいては、圧倒的にメンタルが重要になってきます。

 

メンタルトレーニングをするしないとかはどうでもいいんですけど、少しでも良いメンタルを作れるように、チームを作っていったら良いと思います。

その一つの形として、インカレ本番でのチーム力というものがあるんだと思います。

 

まとめ

以上、インカレで必要な力についてまとめました。

大きく分けて、

①ヨットの実力と②インカレでマックスを出す力

が必要ということですね。

 

また、それをするためにどうしたら良いのかということにも少し触れました。

 

 

次はインカレ特集③ということで、スナイプと470でインカレの勝ち方は違うのか?ということについて考えてみます。