SniPo

もと京大スナイプリーダーが技術・チーム作りを発信

インカレ①:インカレという特殊レガッタ

インカレは毎年なんかしらのドラマが生まれているように思います。

 

いろんな意味で特殊な大会やと思いますが、一体何がそんなに特殊なのでしょうか。

 

インカレ(予選突破を目標にしているところは予選)をより身近に感じてもらえたり、新しい視点で見てもらえたら嬉しいです。

 

 

 

72艇のビッグフリートでカットなし

72艇

もう頭がおかしいです。

72艇で一斉にスタートして、1点から72点まで点数が付きます。

 

例年、スナイプのクラス優勝得点の平均は、1レース45点です。

艇平均15点。

下手な話、一度もシングルをとらずして優勝できてしまいます。

 

このことから、インカレではトップをとる能力よりも、前で安定させる能力の方がはるかに大事であることがわかります(ピン芸人の僕が言っても説得力は皆無ですが)。

もしそうなら、一年間を通して、上位で安定させる走らせ方・戦い方をチームで模索していく必要があります。

 

カットなし=横文字ぱない

また、それと同じくらい大事な能力として、横文字を叩かないということがあげられます。

横文字の威力はハンパないです。

一気に大量得点を稼げます。

 

技術的な問題ではなく、意識の問題です。

リコールしない、ケースを起こさないとか、当たり前のことはいくつかありますが、それをどれだけ徹底できたか、が問われます。

直前になって、インカレだから横文字気を付けようとか言っても無理です。

普段よりスタートで出遅れたり、タックを攻めれなくて10艇の後ろを切ってしまったり。

そんなことになりかねません。

 

インカレの横文字がえぐいということは、初めっからわかっているので、その前提で一年間戦い方を体に刻む必要があるでしょう。

 

四回生にとって最後の大会

インカレは四回生にとっては、引退レースになります。

勝っても負けても最後です。

 

f:id:nagaKUshox:20191226102711j:plain

 

そして、チームによりますが、四回生がインカレの中核になることは多いです。

技術的にも精神的にも。

 

そこで、四回生がどういったふるまいをするか。

これは、非常に大事な問題です。

 

最後だからいいとこ見せな、気持ちよく引退したいとか、俺が走らんかったら終わりやとか、いろんな感情が入ってしまうと思います。

それで奮い立つ人もいるでしょうが、逆にマイナスの方向に働いてしまうこともあると思います。

そのたぐいの感情が出てくるのは、インカレになる前から目に見えているので、その感情とどう向き合って処理するのかを、あらかじめ考えておくのが肝要です。

 

それができないと、感情に支配されていつもと違うことをしてしまって微妙みたいなことになってしまいます。

個人戦で爆走した四回生や他学年の主力選手がインカレでは走らないというケースは多いと思いますが、わりと上のようなメンタルに問題があるように思います。

 

逆に、四回生がしっかりと走り、チームに勢いを生むような場面も良く見られます。

 

四回生にとって最後の大会だからこそいろんな感情が出てきますが、それといかに向き合い、実力を出し切れるか、が大事です。

 

部の一年間の目標の大会

インカレは部の最大目標というか一年間の終着点です。

ここに懸ける思いは半端ないです。

みんなこの大会のために努力を重ねてきます。

 

出れない人も複雑な思いを持ってるし、出る人もそんな思いを背負って何が何でも前を走ろうという気概で出場します。

 

緊張した選手たちが本気でしのぎを削り、殺伐としたレース展開になります。

 

こんな大会が他にあるでしょうか。

インカレ独特の空気感で勝つということ。

それが、他の大会と一緒であるはずがありません。

 

部員全員ひいては関係者全員の思いを背負った大会。

これがインカレだと思っています。

 

 

インカレ特集ということで、次はそんな特殊な大会で何が求められているのかを書いてみます。